「僕は実はいい子になりたい」
二人乗り自転車の後ろに乗った長男がふと言ったのです。
「僕はさ、いい子になりたいんだよ。実は。」
赤ちゃん〜乳幼児期をいつの間にか通り過ぎ、小学校に入学し、れっきとした「児童」になった息子の育児に悩み、イライラし、困り果てる日も少なくない今日この頃。私からの怒涛のダメ出しオンパレードに内心傷ついているのだろう、と心が痛みました。
ああ ごめん ごめんね
お母さんがもう少し堪え性があって、せっかちでなくて、すぐに白黒つけないといけないような性格でなかったら、もっと、優しくできたかもしれないのに。いろんな気持ちが浮かんで来て、なんともいえない気持ちになりました。
ますます重みを増した息子を乗せた自転車を漕ぐペダルがさらに重たく感じました。
「いい子って、どんな子なの?」と聞くと
すぐ投げやりにならないで、優しくて、お友達を傷つけない子、だそう。
勉強に遅れをとっている息子。教えようとしても苦手科目はものの数十秒で投げ出してしまうこともザラで、それを何度も私に叱られているのです。
また、お友達がわざとではなく、息子のサンダルを汚してしまったことに、カッとなって必要以上に怒ってしまったという出来事がありました。その態度を彼なりに反省したのかもしれません。
でも一つだけ、納得いかない、私は思いました。
「あなたは優しい子だよ。投げやりになってしまうこともあるし、イライラして態度が悪いこともあるけど、それでも、あなたは優しい子だよ」
「あとね、いいところをもう一つ!あなたは頑張り屋さん。はじめはうまくできなくても、スイミングやスポーツをコツコツ続けて頑張れる。そういう頑張り屋さん。たいせつなことだよ。」
息子は決して器用ではないし、気持ちのコントロールも不得手だし、自分なりにこれから苦労することもあると思います。それでも、わかってほしかったんです。自分にも強みがあるっていうことを。
わたしはいい母親じゃない。気分で怒ってしまうことも多いし、イライラしていることも多い。なかなか自分でも変えられずに困っています。それでも、いいところはいい、と認めてあげることだけは、忘れないようにしたいと思っています。